クロマキー合成ってなに?こんな技術
クロマキー合成とはキーイングと呼ばれる切り抜き合成の一種で、特定の色を透明にし、そこに別の映像(背景)を合成する技術を言います。
背景色には人物の肌色と補色の関係にあるブルーやグリーンが多く使用されます。グリーンバック、グリーンスクリーン、ブルーバック、ブルースクリーン、などと呼ばれる緑や青の布を背景に撮影をします。
天気予報やバラエティなどでよく使われていますが、近年ではリモートでやり取りする際に背景を隠したり楽しんだりするために使用する方もいるようです。
補正の種類はいろいろ。色調・ライト・シャドー・エフェクトなどWonderShareFimoraでのやり方を紹介。
私はWonderShareFimora(わんだーしぇあふぃもーら)というソフトを使っているので、フィモーラでのやり方を紹介しますが、他のソフトでもやり方や名前が少し違ってもできることが多いので、ぜひチャレンジしてみてくださいね。
色調・ライトを調整して、エフェクト・シャドーをするとこんな感じです。クロマキーのやり方はざっくりですが①緑背景とかで撮る、②いろいろいじってみて1番きれいにできるところを探すというような感じで、そもそも光の当て方とかいろいろな条件できれいにできるかどうかが変わってくる問題があるので、また別で紹介できればと思います。
クロマキーの布とか設備を用意するには敷居が高いという方は、消す色を緑ではなく白とかでもできるにはできます。(うまくいくときといかないときの差が激しいですが)
クロマキーが色を基準にして透過するのに対し、輝度を基準にして透過を行うカラーキー(フィモーラにはありませんが)やルミナンスレベルを基準にして透過を行うルミナンスキーや黒がカラーキーの方が抜きやすいこともあります。
色調を調整
緑のクロマキーを前提に説明します。緑でクロマキー合成するときは、被写体に緑が入っていると消えてしまうので、服や小物を緑以外で撮影をします。緑の補色にあたる暖色系が1番きれいにできると思います。
今回は白い服で撮影しました。白や薄い色だと、布の緑色を反射して、少し緑がかることがあります。下の画像のような感じです。
こういう風に緑っぽいときは「色合い」を調節して緑に赤っぽい色を足すと緑がかったのが補正されます。赤いフィルターを追加しても良いです。
青でクロマキーをしたときは、補色である黄色のような感じを足すと良いと思います。下の画像が色あいに赤をふやした感じです。少し赤みが強めですが、この後かなり明るくなるので今回はこれくらいにしてあります。
カメラとかでよく見る、「ホワイトバランス(色温度)」は白は白でも青っぽかったり黄色っぽかったりする加減のことです。青っぽいとすっきりした印象、黄色っぽいと温かな印象です。
今回は温かな感じにしたかったのと背景の白い部屋の白が真っ白ではなくて黄みがかった白なので、ホワイトバランスを少し黄色の方に変更しました。フィモーラではスポイトボタンを押すと「この色に合わせる」みたいな感じで参照できるのでお勧めです。
ライトの調整
次はライトの調整です。明るさや暗さもここで調節できます。今回は、明るさを上げると白飛びしてきつい印象になったのと浮いている感じがしたので、淡くしたいけど優しい印象を残すためにシャドーとブラック(画像の暗い部分)を明るくしてみました。
さらに、くっきりしているのが浮いていたのでコントラストを下げて明暗がくっきりしないようにしました。今回はくっきりしている部分を優しく補正しましたが、合わせたい背景がくっきりしているばあいはコントラストをあげたり、背景にあった調整をすると良いと思います。
今回の画像のように、すっきりしていて、白い背景だとクロマキーをなじませるのが大変です。あまり補正をしたくないという方は、背景に緑や黒っぽい画像を選んだり、ごちゃごちゃした背景だとクロマキーの粗が目立ちにくいのでおすすめです。
フィルターを全体にかけるとさらになじむ
最後にフィルターを全体にかけました。下の画像は動画の一部を保存したものなのですが、動画だと静止画よりもなじみやすいです。
背景だけ、人物だけにフィルターをかけるのではなく、全部に対して同じフィルターをかけるということが、クロマキーだけでなくどんな動画にも応用できるコツだと思います。
フィルターは今回、「レンズフレア5」「ライトリーク2」「美顔」を使用しています。好きなものを選ぶときの参考にどうぞ。
ドロップシャドウも動きがでておすすめ
今回の映像にはドロップシャドウも追加しています。フィモーラでは「ビデオ」→「ベーシック」→「ドロップシャドウ」のところにあります。角度や色をほかの影や立体的なもの×光の向きにあわせて追加すると馴染みやすいです。
下の動画が調整後のものです。よければご覧くださいね。
まとめ
・クロマキー合成とは特定の色を透明にし、そこに別の映像(背景)を合成する技術
・元の画像の色調・ライトを調節すると馴染む。緑のクロマキーの場合は赤みを足すと良い
・シャドーを追加したり、全体に対してエフェクトをかけたりするとさらになじむ